お客さまだけでなく
社員にとっても使いやすい仕様が魅力

三井住友トラスト不動産株式会社

厳格な本人確認の必要性や、書面の交付や押印を義務付ける法律のため、契約の一部電子化に留まっていた不動産取引ですが、2022年5月に宅地建物取引業法(宅建業法)の改正が行われ、不動産取引契約の完全電子化が可能になりました。そこで電子印鑑GMOサインをすでに導入している三井住友トラスト不動産株式会社に導入に至った背景や現在の利用状況について聞きました。

取材協力 三井住友トラスト不動産株式会社  企画部  戦略企画グループ  主任調査役  山﨑  淳さま  企画部  業務企画グループ  調査役  萩原  佑介さま

業種 契約類型 ご利用プラン 従業員数
不動産の売買・交換の仲介
およびこれに付帯・関連するコンサルティング業務
  • ・媒介契約書
  • ・重要事項説明書
  • ・売買契約書
  • ・業務委託契約書など
契約印&実印プラン 1134名
(2023年10月1日現在)

記事の要約

  • 不動産取引契約の完全電子化解禁に合わせて導入
  • 認証における利便性、操作性、コスト、サポート体制を評価しGMOサインを選択
  • GMOサインはインターフェース、操作性がユーザーフレンドリー
  • これからも積極的に書類の電子交付・電子契約の利便性を発信していきたい
インタビューの様子

―貴社の事業内容を教えてください。

三井住友信託銀行を中核とする三井住友トラスト・グループに属し、土地・戸建・マンションなどの居住用を中心とした不動産の売却や購入の仲介事業を行っています。三井住友信託銀行のグループ会社だからこその信頼性の高さに加え、信託銀行をはじめとする他グループ会社や提携企業様との連携によって得られるネットワークやサービスを利用した専門性の高いサービスを提供しています。

―現在、電子印鑑GMOサインをどのように活用していますか?

不動産仲介を行う際に売主様と締結する媒介契約書のほか、重要事項説明書や売買契約書の署名・交付手続きの際にGMOサインを活用しています。また、これらの手続き時に付帯する書類もGMOサインの利用対象文書としています。GMOサインを利用する場合の取引相手は個人や法人を問いません。電子交付・電子契約で手続きを行う利点を案内したうえで、相手方の意向を伺い、同意が得られた場合に利用しています。そのほか、数は少ないですが、本社管理部門などで取り扱っている業務委託などの契約書についても利用することがあります。また、会社として電子契約を推進する方針を全社に通達し、営業現場では積極的にお客様への利用提案を行うよう呼び掛けています。現在、全国の全てのセンター(営業拠点)でGMOサインを利用した契約締結実績があります。

インタビューの様子

―電子契約サービスを導入することになったきっかけを教えてください

不動産売買契約書を書面で作成すると、契約金額に応じて印紙税が課税されます。しかし、電子契約の場合、印紙税が非課税になるため、お客様から印紙税の節約を目的とした一定のニーズがあると想定していました。2022年5月に宅地建物取引業法が改正され、不動産取引の完全電子化が可能になるとの発表がありました。弊社でもこうした法改正やお客様のニーズに対応するため、2021年9月頃から電子署名サービスの導入を検討することになりました。

―電子契約サービスを導入するにあたって課題や不安はありましたか?

宅地建物取引業法においては、書面の交付や押印を義務付けられていたこともあり、デジタル化に遅れをとっていた不動産業界ですが、それでも分譲や賃貸では電子契約が先行して浸透していきました。一方で「売買仲介」の業態では利用が拡まりづらいのではないかという懸念がありました。不動産仲介の基本業務として、関係者の本人確認を行う業務があります(犯収法に規定される取引時確認を含む)。さらに、金融機関グループの当社はこの本人確認を厳格に行っています。そのため、宅地建物取引業法が改正されたとしても、完全な非対面で取引を完結することは想定していませんでした。本人確認については、従来通り対面で実施する運用としたため、その点でも電子署名サービスの利用がどこまで浸透するか、不透明でした。加えて10年のタイムスタンプの有効期間が切れた後の対応も検討する必要がありました。幸いGMOサインは、電子認証局を自社で運営している点からサービス運営にかかるコストを他社よりも抑えられるという利点に加え、国際規格「ISO27001」および「ISO22301」の認証を取得、現在においては「ISO27017」の認証を取得しているため、事業継続性やセキュリティ面でも安心して利用できます。もうすぐ経過するはじめての10年期限の際にも、新たなタイムスタンプを再付与可能な技術を持ち合わせている点も大きなメリットだと感じています。

―どのように電子契約サービス事業者を選定していきましたか?

社内にクラウド型電子署名サービス事業者を選定するためのチームを編成し、比較検討を行いました。業界シェアや取引、本人確認の安全性、操作性そしてコストなどの点について、お客さま目線・営業職・承認者目線で比較することで事業者を絞り込んでいきました。また、譲れない条件として、ガバナンスを高める為のワークフロー承認機能と文書への閲覧権限の設定があること、そしてIPアドレス制限が利用できる点をあげていました。

―電子印鑑GMOサインを選んだ理由を教えてください。

対個人との契約締結に有用なSMS認証やマイナンバーカードによる個人認証を実装しているなど、本人性を担保するのに重要な認証方法を複数持ち合わせ、優位性があること、また書類自体の対抗力と信用力、シンプルな操作性、添付書類毎に閲覧権限が設定できる点、そしてコストを評価して、選定メンバーの総意でGMOサインに選定しました。そのほか、問い合わせに対する丁寧な説明やレスポンスの速さも他社より、秀でていたことも好印象でした。

―電子印鑑GMOサインを導入して、とくによかったと感じている点があれば、教えてください。

まずお客様が電子契約を選択するメリットですが、印紙税が非課税となり、不動産売買時の金銭的な負担が軽減されます。またお客様のご都合や、お住まいに関わらず契約締結が可能になる点も挙げられます。郵送でかかる往復の時間やコストがなくなり、契約締結がスピーディに行えます。GMOサインはインターフェースや操作性がユーザーフレンドリー。したがってお客様にとっても、そして、弊社の社員にとっても比較的利用しやすいシステムだったと言えます。さらにGMOサインは不動産仲介業に必要な機能を備えており、必要に応じたカスタマイズやアップデートや機能追加も積極的に行っていただきました。とくにお客様に発信した、お客様がダウンロードした、そして署名したなど、状況が逐一表示され、契約締結のステータスを細かく把握でき、とても重宝しています。

―電子印鑑GMOサインを導入したことで見えてきた課題などはありますか?

本人確認は不動産売買仲介業における基本ですが、当社では取引の安全を考慮して比較的厳格な運用を行っています。本来は電子契約・電子交付の有用性が最大限発揮されるのは非対面取引のケースと考えています。ですが、本人確認のルールを運用するにあたり簡単に非対面取引を認めるわけにはいきませんでした。便利に非対面取引を利用したいところですが、本人確認を確実に行わなければならないという状況があります。世の中から期待されている取引の安全性を担保したうえで、柔軟かつ効率的なサービスを提供していくかが、今後の課題です。考えられる対策の1つとして「eKYC」の導入を検討していますが、まだ採用の目処が立っていないのが現状です。
GMOサインではeKYCのソリューションも持ち合わせているようですので、改めてご相談したいと思います。

もうひとつの課題は社内での利用促進です。前述の通り、全センター(営業拠点)で電子契約の実績を積みながらサービスの導入から約1年4カ月が経過し、単純な利用機会としては約900件ほどの利用をしている一方で、まだ一度もGMOサインを利用していない営業担当者も相当数います。お客様へのメリットや利便性を引き続き発信し、マニュアル等の充実や営業現場へ出向いての研修や周知活動を継続的に行っていくことで、電子契約への理解を促進、電子署名サービスの利用に対する意識を向上させる必要性を感じています。

―お忙しいところ、ご協力いただきありがとうございました。

  • 掲載している内容、従業員数、所属や役職は取材当時のものです。

会社名
三井住友トラスト不動産株式会社
所在地
東京都千代田区神田錦町3-11-1 NMF竹橋ビル
設立
1986年1月
事業内容
不動産の売買・交換の仲介およびこれに付帯・関連するコンサルティング業務
URL
https://smtrc.jp/

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