働き方

2020年9月1日

テレワークのメリット・デメリット 今後の課題を考察

政府が進める働き方改革の中で、注目を集めてきたテレワーク。2020年初頭からの新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症の拡大により、実際に導入する企業が増えています。テレワークは、これまで一般的だったオフィスワークとは一線を画す、新たな働き方。導入にあたっては、企業側・従業員側双方に注意すべきポイントがあります。

そこで今回は、企業側・従業員側それぞれにおける、テレワークのメリット・デメリットを解説していきましょう。

テレワークとは?

テレワークのメリット・デメリットについて解説するにあたって、前提としてテレワークがどのようなものなのか理解する必要があります。類似する言葉として、リモートワーク、在宅ワーク(在宅勤務)といったものが挙げられますが、どういった違いがあるのでしょう?

テレワークという言葉の意味

テレワークという言葉は、日本におけるテレワークの普及・啓発活動を担う日本テレワーク協会によると、「tele(テレ=離れたところ)」と「work(ワーク=働く)」という2つの言葉を組み合わせた造語です。情報通信技術(ICT)を活用することによって実現する、働く場所にとらわれない働き方を指します。
出典:日本テレワーク協会

テレワークの主な就労形態

日本テレワーク協会では、テレワークを以下の3つの就労形態に分類しています。

在宅ワーク(在宅勤務)

自宅で仕事をする働き方。会社とはWebや電話でやり取りをする。

モバイルワーク

駐在先や営業先にいるとき、または移動中などにモバイル機器を使って仕事をする働き方。

サテライトオフィス勤務

勤務先と別に設けられたオフィスで仕事をする働き方。

テレワークと似たような言葉としてリモートワークがありますが、リモートワークは、オフィス以外の場所で働くこと全般を指す言葉。それに対し、テレワークは上記3形態の総称とされており、明確な定義が存在するという点が特徴と言えるでしょう。

新型コロナウイルス感染症の拡大で増加するテレワーク

2020年に入ってから、テレワーク導入企業が大幅に増加しています。テレワーク増加の大きな要因となっているのが、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大です。不要不急の外出自粛要請により、多くの企業が在宅勤務を中心としたテレワーク導入を決定しました。

政府による緊急事態宣言が出された2020年4月、東京都が実施したテレワークに関する緊急調査によると、テレワークの導入企業の割合は62.7%。前月の調査とくらべて、実に約2.6倍と急増しています。テレワークを実施する社員の数も2020年4月時点で約5割に達しており、いかに急拡大したかお分かりいただけると思います。
参考:テレワーク「導入率」緊急調査結果

加えて、厚生労働省が公表した、新しい生活様式の中でもテレワークの必要性が唱えられており、新型コロナウイルス感染症が収束した後の「ニューノーマル時代」における標準的な働き方としても注目されています。

テレワーク導入における企業側の主なメリット・デメリット

ニューノーマル時代の標準的な働き方として定着する可能性が高いテレワーク。テレワークを導入する企業側にとっては、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう?

テレワーク導入における企業側の主なメリット・デメリット

企業側にとってのメリット

テレワーク導入によって期待できる、企業側にとってのメリットとしては次のようなものが挙げられます。

1. 従業員の生産性が向上しやすい

テレワークの場合、電話応対や呼び出しが比較的少ないため、集中力を要するような作業の場合、従業員の生産性が上がる可能性は高いでしょう。また、出社の必要がないことから、通勤での電車等におけるラッシュにまきこまれるなどといったこともなく、従業員が時間的なゆとりを持つことができ、生産性の向上を図れます。

2. オフィスコストを削減しやすい

テレワークが全社的に定着すれば出勤人数が減るため、オフィススペースの削減が可能となります。また、テレワークではWeb上でのやり取りが基本になるので、印刷代の削減にもつながるでしょう。このようにオフィスにかかるコストの削減が見込める点も、企業側にとっての大きなメリットです。

3. 優秀な人材を確保しやすい

テレワークでは働く場所や時間の自由度が高まるため、通勤が困難な人や育児・介護に従事している人など、多様な人材を雇用することができます。従来の働き方では雇用が難しかった優秀な人材も、テレワークであれば確保しやすいのです。

4. 緊急事態発生時のリスクヘッジになる

今回の新型コロナウイルス感染症の拡大よりも前に、テレワークの重要性が取り沙汰されたことがありました。それは、2011年の東日本大震災の直後です。原発事故による電力不足の影響が長引いたことで、オフィスを1カ所に集約することのリスクが表面化しました。

これを踏まえると、企業は普段からテレワークを活用することで、災害をはじめとした緊急事態が発生した際のリスクヘッジにもなると考えられるのです。

企業側にとってのデメリット

反対に、企業側にとってデメリットとなり得るのは次のような点です。

1. 情報漏洩リスクが高まる

テレワークでは、従業員が会社PCや携帯を外部に持ち出して仕事をするため、端末の紛失やウイルス感染などによる情報漏洩リスクが高まります。テレワークを導入する際には、セキュリティ対策と運用ルールの策定が不可欠です。

2. 労働時間の把握が難しい

従業員が目に見えない場所で働くことになるので、労働時間を正確に把握することが難しいというデメリットもあります。勤怠管理に関するルールを従業員に周知徹底し、長時間労働などが常態化しないように見守る必要があります。

テレワーク導入に伴う従業員側の主なメリット・デメリット

テレワークを実践する従業員側には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょう?

従業員側にとってのメリット

柔軟な働き方が可能なテレワークは、従業員にとってもメリットの多い働き方と言えます。

テレワーク導入に伴う従業員側の主なメリット・デメリット

1. 通勤時間が削減される

平成25年住宅・土地統計調査結果では、通勤時間が30分~1時間未満という家庭が多く、テレワークを実践することでこの時間を削減できます。また、通勤に伴う精神的・身体的負担を軽減する効果も期待できます。
出典:「平成25年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)

2. 業務に集中できる

企業側のメリットとしてもお伝えした通り、一般的にテレワークは業務に集中しやすいとされています。これは、自分一人で仕事ができることや、自分の好きな環境・場所で仕事ができることが要因と考えられるでしょう。

3. 理想的なワークライフバランスが実現しやすい

特に在宅ワークの場合、育児や介護をしながらでも働けるというのは大きなメリットです。家族と過ごせる時間も長くなるので、ワークライフバランスの整った健康的な生活を送りやすいと言えます。

従業員側にとってのデメリット

従業員にとってメリットの多いテレワークですが、当然ながらデメリットもあります。

1. 仕事とプライベートの切り分けが難しい

働く場所を選ばないテレワークは、いつでもどこでも仕事ができてしまいます。そのため、スイッチのオンオフを切り替えにくいのが難点です。息が詰まってしまわないよう、適切にスケジュール管理する必要があるでしょう。

2. 他従業員とのコミュニケーションが取りにくい

Web上でやり取りができるとは言え、同じオフィスで働いているときにくらべると、他従業員とのコミュニケーションは取りづらくなります。コミュニケーション不足は業務の非効率化につながりますので注意が必要です。

3. 運動不足になりやすい

意外と問題になるのが、ずっと自宅などで過ごすことによる運動不足。オフィスに毎日通勤するというだけで、立ったり歩いたりという基礎運動になっているのです。運動不足を回避するためにも、ちょっとした外出やストレッチを心がけましょう。

テレワークはニューノーマル時代における重要な選択肢

新型コロナウイルス感染症の拡大によって注目されるテレワークは、ニューノーマル時代の新たな働き方として、今後さらに定着していく可能性が十分にあります。

テレワーク導入における企業側の主なメリット・デメリット

すべてをテレワークに切り替えるのは難しいとしても、従来のオフィスワークと組み合わせて「選択肢のひとつ」として用意することはとても有効です。

メリット・デメリットを正しく理解したうえで、企業側・従業員側双方が納得できるテレワークの仕組みを構築していきましょう。

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ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

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