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2020年8月19日

2020年8月21日

収入印紙が必要な契約書の条件と種類、税額をわかりやすく総まとめ

ビジネスや不動産投資、マイホーム購入など、重要な取引では契約書を作成しますが、契約書には収入印紙の貼付が必要となることが多くあります。収入印紙は税金の納付を示す大事な証書であり、印紙が貼付されていないと大きなトラブルにつながります。

今回は、契約書における収入印紙の役割、必要な価格金額などについてご説明します。国税庁のホームページも出典としてご紹介しますので、そちらもあわせて必ずチェックするようにしてください。

収入印紙の基礎知識と貼付が必要な契約書の条件

収入印紙は、あらゆる注文書、契約書、領収書、受取書などに貼付しなければいけないわけではありません。貼付対象となる書類は印紙税法に規定されており、その規定に外れるもの、あるいは非課税であると明示されているものについては課税対象でないため、貼付の必要はありません。まずは収入印紙の定義と、貼付すべき契約書の条件についてご説明します。

そもそも収入印紙とは?

収入印紙とは、印紙税の課税対象に該当する書面(「課税文書」といいます)に貼り付ける切手のような証票のことです。印紙税は給料から天引きされる、あるいはコンビニエンスストア等に支払用紙を持ち込んで支払う、という方法ではなく、「収入印紙を購入し、課税文書に貼り付け、消印をすることで支払う(正確には支払ったことが証明できる)税金なのです。消印がないと、収入印紙を使い回していないことを証明できず、すなわち印紙税を納付したという証明にならないので注意が必要です。

収入印紙は、郵便局、法務局、コンビニエンスストアなどで購入できます。日本のどこでも比較的入手しやすいもので、一般的な郵便切手とほぼ同サイズのものです。

収入印紙が必要になる書面(課税文書)の条件

課税文書に該当する書面は、印紙税法で定められた課税事項が記載されている文書であることが条件となります。全部で20種類あり、「第◯号文書」の形で呼ばれています。例えば、不動産売買契約書は「第1号文書」のひとつです。

こうした文書は、当事者間において課税事項を証明する目的で作成された文書でなければいけませんが、この目的で作成された契約書か否かは記載内容から判断されるので、仮に契約書のタイトルが「不動産売買契約書」でなく「覚書」であっても、記載内容が印紙税法における「不動産売買に関する契約書」に該当すれば、印紙が必要な契約書(課税文書)として扱われますので、注意が必要です。

収入印紙が不要となる条件

なお、契約内容が印紙税法の課税文書に該当しても、記載の金額によって「非課税文書」となる場合があります。例えば、レシートや領収書などの「金銭又は有価証券の受取書」について、受取金額が5万円未満のものは非課税です。そのため、私たちがスーパーやコンビニで行う日常的な買い物のレシートに、収入印紙を貼付する必要がないのです。

【出典】国税庁「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」

収入印紙が必要な契約書の主な種類と税額

収入印紙の貼付対象となる契約書には、いくつか種類があります。また、その種類に応じて課税金額(購入・貼付すべき収入印紙の金額)も異なります。ここでは、主な課税文書と税額についてご紹介します。

第1号文書

第1号文書には、先に挙げた不動産売買契約書を含めて4種類の契約書が規定されています。印紙税額は、記載された金額により異なります。例えば、契約書に記載の金額が1万円未満であれば非課税ですが、1万円以上10万円以下だと200円、10万円を超え50万円以下だと400円などと定められています。詳細は下の表をご参照ください。

・不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書などがこれにあたります。なお、ここでいう無体財産権とは「特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、育成者権、商号及び著作権」のことであり、たとえば「著作権の譲渡契約」は課税文書に該当します。

・地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書などがあたります。

・消費貸借に関する契約書
金銭借用証書、金銭消費貸借契約書などです。利息は、印紙税額を決定する記載金額には含まれません。

・運送に関する契約書
運送契約書、貨物運送引受書などが含まれます。乗車券、乗船券、航空券及び送り状は含まれません。したがって、新幹線や飛行機などの高額なチケットであっても収入印紙を貼付する必要はありません。

【出典】国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

第2号文書

第2号文書は、請負に関する契約書の1種類だけです。ここでいう請負とは、請負人が相手方に対し仕事の完成を約束し、注文者が報酬を支払う契約形態を指します。第2号文書には、工事請負契約書、物品加工注文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書などがあります。第1号文書と同様、契約金額に応じて印紙税額も異なります。

ただし、平成9年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成される建設工事の請負に関する契約書のうち、契約書に記載された契約金額が一定額を超えるものについては、税率の軽減があります。

【出典】国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

第5号文書

第5号文書は、合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書です。ただし、会社法又は保険業法に規定する合併契約を証する文書か、会社法に規定する吸収分割契約又は新設分割計画を証する文書に限ります。

印紙税額は、一律で4万円です。

【出典】国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」

第7号文書

第7号文書は、継続的取引の基本となる契約書です。売買取引基本契約書、代理店契約書、業務委託契約書などが挙げられます。契約期間が3カ月以内で、更新の定めのないものは除くとされています。

印紙税額は、一律で4000円です。

【出典】国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」

収入印紙に関する「よくある疑問」

税金や法律に関わることであるため、実務で収入印紙を使う際、「これはどう考えたばいいの?」と疑問に思うことが多く出てきます。最後に、よくある質問と回答をまとめました。

収入印紙の代金は誰が負担する?

契約には2者以上が関わりますが、収入印紙の代金は原則として課税文書を作成した者が負担することになっています。ただし、2通を作成して双方が1通ずつ保管する契約書の場合、2通とも収入印紙が必要なため、双方が連帯して1通ずつ印紙代を負担することが多いです。

どちらにせよ、トラブルを避けるためにもあらかじめ当事者間で決めておくようにしましょう。

収入印紙は契約書のどこに貼る?

収入印紙の貼付位置は、左上の余白部分であることが一般的です。貼り付けた後には、契約書に押印した印鑑もしくは署名で消印を行います。

●消印とは?
印紙税法は、一度貼付した印紙の再使用を防ぐため、契約書に貼付した収入印紙と契約書の両方に印影がかかるように契約者の押印または署名をすることを定めています。消印を行わなかった場合、契約書に貼付した印紙の額と同じ額を過怠税(かたいぜい)として徴収されますので、注意が必要です。

印紙を貼り忘れた場合はどうなる?

収入印紙の貼付をもって納税となるわけですから、課税文書となる契約書で収入印紙を貼らなかった場合は、脱税とされてしまいます。
税務署に課税文書に印紙が貼付されていない旨を指摘された場合、過怠税として本来納付すべき金額の3倍が課せられることとなっています。つまり本来納付すべき印紙税に加えて、印紙税の2倍の過怠税を払わなければいけません。貼り忘れのないよう、注意してください。

電子契約の場合、収入印紙はどうする?

印紙税は書面に対してかかる税金です。電子契約なら紙の契約書はありませんので、課税文書の作成にあたらないとされ、電子契約への収入印紙は不要となります。国税庁は、課税対象となる文書の「現物の交付がなされない以上(中略)印紙税の課税原因は発生しない」と見解を示しています。ただし、プリントアウトして印鑑を押す場合、収入印紙が必要となる場合があるのでよく確認が必要です。

【出典】国税庁「請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について」別紙1-3

「収入印紙の貼付ミスを防ぐためにも国税庁のホームページをチェック」

今回のご説明内容は2020年7月時点の印紙税法に基づいており、その内容は今後も変更される可能性があります。収入印紙の貼付ミスは脱税とされ、過怠税の徴収や企業のブランド力の毀損(きそん)につながってしまいます。ぜひ国税庁のホームページやニュースをチェックし、ミスのないよう気をつけてください。

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筆者

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