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2020年6月10日

解説「民法改正」〜522条(契約の成立と方式)のチェックポイント〜

2020年4月から、ついに新民法が施行されました。民法は市民社会を取り仕切る原理・原則のルールが定められたものです。それが今回、120年ぶりに改正されました。

新設された第522条(契約の成立と方式)の要点を確認し、今後の契約について考えてみましょう。

約120年ぶりとなる民法改正のポイント

今回の民法改正は、約120年ぶりに行われた抜本的な見直しを含むため、大改正とも呼ばれています。これまで個別の条文に対して改正されることはたびたびありましたが、今回の改正では大きな見直しがされました。

すでに判例で確立されている決まりごとや、現代社会において当たり前となっているような商習慣を条文に盛り込み、明文化していくという意味があります。また大きな改正が行われたといっても、その背後にある基礎・基本の重要性が揺らぐことはありません。

改正民法で規定された「契約の考え方」

契約の成立に必要な要素は何かというのは、民法の根本にもかかわる奥の深い問題です。こうした点についても、今回の民法改正では見直しが行われました。

契約の考え方は、第522条(契約の成立と方式)で規定されています。この条文は新民法で新設された条文で、契約の成立プロセスを定めるものです。

第522条(契約の成立と方式) の条文

第522条

  1. 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。) に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
  2. 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

第522条の要点

今回の新民法522条の注目ポイントは、以下の点です。

  • 契約は両当事者の申込みとその承諾という2つの要素で成り立つものである
  • 契約を成立させる申込みでは、契約の内容を示す必要があり、漠然とした提案のようなものとは異なる
  • 書面の有無といった手続きや形式ではなく、申込みとその承諾の有無が優先される

民法522条に示されるような内容は、現状の社会における取引の常識と比べてみても、特に違和感なく受け入れられるでしょう。

また民法522条は、契約の形式や手続きよりも契約における申込みと承諾の有無が重要だとしています。

契約の本質を踏まえ、実務をどう考えるか

これまで、契約は「口約束」でも成立するとされていました。

今回の民法改正においても、法令上で書面による契約が必要な場合を除いて、口約束による契約成立は変わらないと考えられます。

しかしながら、契約形式よりも申込みと承諾の有無を優先すると明記されたことで、今後の契約業務にどのような影響を与えるのでしょうか。

契約内容と締結の証拠を残す

従来は、契約成立の証拠を残すために契約書や捺印を用いて来ました。万一の争いに備え申込みや承諾の事実を裏付けるための形式でしたが、この考え方は今後も継続するべきです。

また、契約の証拠を残すことができれば、形式や手続き方法は自由とも考えられます。書面契約に変わり、電子契約への移行が受け入れられやすい社会になりつつあるのではないでしょうか。

将来にわたって争いの余地を残さないリスクマネージメントをいかに継続するか。その方法を実務に導入することが求められます。

 

まとめ

今回は民法大改正というトレンドを踏まえながら、基礎となる契約の考え方を整理しました。大改正といってもその内容は、120年の間に積み重なってきた商習慣などを取り入れたものです。

特に契約に関する規定の理解では、大改正という言葉に焦る必要はありません。深く正確な理解をもとに、実務のあるべき姿を改正された民法に合わせて考えることが大切です。

ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

ハンコ脱出作戦 編集部

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