日本の脱印鑑を応援するブログ

働き方

2020年6月1日

2020年7月7日

コロナショックで、日本の印鑑文化がついに変化する。

「脱ハンコ」は、withコロナ時代を生きる企業の業務改善・リソース活用策として有効──

新型コロナウイルス感染拡大で人々の生活だけではなく、企業や行政の場でも行動の変化が起きています。その中で最も顕著な例がテレワークの導入ですが、日本では請求書や契約書などに印鑑を押す文化が根付いており、テレワーク導入後も押印のために出勤を余儀なくされる社員がいることが問題となっています。

こうした中、いち早く在宅勤務に移行し、印鑑完全撤廃を宣言したGMOインターネットグループの熊谷正寿グループ代表に、これまでの経緯も踏まえて、企業が「脱ハンコ」に取り組む意義やメリットについて語ってもらいました。

 

コロナショックにより、3年分の変化がわずか3カ月で

—新型コロナウイルス感染症が世の中、社会や産業にどのような影響を与えたか、熊谷代表の考えをお聞かせください。

近年、IT業界ではデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)、つまりは「デジタル化による変革」というワードが盛んに使われています。私も2020年1月に行ったグループ新年会の際には、「今春サービス開始予定の5Gをきっかけに本格的なDX時代が到来する」と話していました。

ところが、私の予想は外れ、DXのきっかけになったのは5Gではなくコロナだったのです。

5Gは数年かけて社会を変えていくと予測していましたが、コロナのインパクトは大きく、3年分を3カ月程度のスピードで変えてしまいました。

今ではこうした取材もZoomで行うようになり、テレワークや飲食店のオンライン化(デリバリー・EC)、オンライン授業なども広がり、マイナンバーカードを使った電子申請や企業間の電子契約なども一気に普及することが期待されています。

こうした革新的な変化をDXと言わずして何と言えばよいのかと。

 

—今のお話に出てきた「契約の電子化」について、GMOインターネットグループでは、「脱ハンコ」の取り組みを進められていますが、そのきっかけは?

2020年1月27日、GMOインターネットグループは他社に先駆けて国内全4,600人のパートナー(社員)のうち、東京・大阪・福岡に勤務する約4,000名を対象として、在宅勤務を開始しました。

しかし、私自身は書類への押印などのために出社することもありましたし、パートナーに実施した在宅勤務のアンケート結果からも、常に一定の割合で出社していることは明らかでした。その理由としては、「押印」「郵便物回収」「FAX回収」がベスト3で、中でも押印の割合が大きかったため、この問題はなんとかしなくてはいけないと考えていたのです。

出典『GMOインターネットグループ 在宅勤務に関するアンケート』分析レポートより

そうした中、4月14日に竹本直一IT政策担当大臣がテレワーク導入企業の押印のための通勤問題について「民は民で話し合ってもらうしかない」と記者会見で発言されました。

このニュースを見て、私たちが緊急事態宣言下でありながらも押印のために通勤を続けているのは、結局のところ、個々人の意識の問題にすぎないという気づきを得られたのです。

それならば、まず自分から周囲の意識を変えていこうと、翌15日に「決めました。

GMOは印鑑を廃止します」とTwitter上で発信しました。

そこから実際にグループ内で印鑑が必要となる業務を洗い出してみたのですが、法的に意味のない形式的なものばかりで、強い意志を持って取り組めば、この数は減らすことができると確信しました。

そして、続く17日には「GMOインターネットグループは顧客の各種手続きから印鑑を完全撤廃する印鑑レスと、取引先との契約を電子契約のみとすること」というニュースリリースを発表し、脱ハンコに向けて大きく舵を切ったのです。

竹本大臣の一言がなかったら、「自ら率先垂範して脱ハンコを進めていこう」という考え方にはならなかったと思うので、大臣には感謝の意を述べたいと思います。

民・官はマイナンバー、民・民は意識改革が、脱ハンコのポイント

—脱ハンコを進めるうえで障害となるのは何だと思われますか?

やはり人々の意識の問題だと感じています。

一般の人は、脱ハンコと言われても具体的ではなく、実際にどう進めていいのか、わかりづらいのではないでしょうか。これは、検索エンジン上のキーワードにも表れていて、脱ハンコと検索している人はほとんど見られず、多くの人が「電子印鑑」「電子証明書」「電子ハンコ」と検索しているのです。

ただ、この問題は、「民・官」と「民・民」に分けてみると、ごくシンプルに整理できます。

まず、民・官の脱ハンコはマイナンバーカードの普及が鍵となるでしょう。なぜならマイナンバーは、住民票交付といった行政の手続きをデジタル化するために開発されたものなのに、国民側がカード取得に消極的なため、印鑑が利用され続けているのが現状だからです。

次に、民・民の脱ハンコは、請求書の電子化と同時に従来続けてきた、形式的な押印の慣行を各企業がやめることがその第一歩になるでしょう。署名や押印が求められる契約書に関しては、「GMO電子印鑑Agree」の電子署名サービスをご利用いただければ、押印レスでも本人性の認証が可能となるばかりか、その手続きも大幅に簡略化することができます。

 

—せっかくオンラインで請求書を発送するのに、わざわざPC上で印影の画像を貼り付ける人も多いように思います。

例えば現在の法律では、請求書への押印は不要です。もちろん、印影画像をPC上で貼り付ける必要もありません。場合によっては、通常の押印よりもさらに手間がかかるので、まさに本末転倒だといえるでしょう。

私たちは、こうした「認識の間違い」をなくしていくために、デジタル時代の個人認証に関する正しい知識を世の中に広めていかなくてはと強く思っています。

脱ハンコを通じて、コスト削減だけでなく業績向上も期待できる

—脱ハンコを掲げる一方で、日本の伝統である印鑑文化、そして印鑑業界とはどのように付き合っていきたいと思っていますか?

実は、私自身は印鑑や印影にはとてもこだわりがあります。げん担ぎの意味で、創業時に初めて会社の実印を作っていただいた都内のお店に、30年近くオーダーし続けてもいます。

社会のデジタル化の流れを阻害する、形式的で不必要な押印の慣行は廃止しなければと思いますが、長年愛着を持ってきた印鑑文化が続くことを強く願ってもいます。そこで、印鑑業界の関係者さまへ向けて、僭越ながら以下3つの提言をさせていただきます。

アートとしての印鑑文化
中国では、ビジネスのシーンで印鑑を使う機会はほぼありませんが、美術品としての価値は変わらず評価されています。このように、アートとしての印鑑文化の継承に今後とも力を注いでいただきたいと願っています。

電子印鑑ビジネスの代理店展開
私たちが提供する「GMO電子印鑑Agree」では代理店を募集しております。ぜひご応募いただき、ご一緒にビジネス展開ができたらと思います。

公証人ビジネスへの参入
これはあくまで構想ですが、印鑑業界には、欧米のような「サイニングの公証人」という道もあるのではないかと考えています。アメリカには公証人が約4万人もおり、金融機関や郵便局に常駐しています。このような制度を日本で普及させるべく私は署名活動を行い、政府に働きかけようと思っています。

 

——今後、日本の社会が脱ハンコに移行できるかは、各企業の経営者が率先して取り組めるかが重要です。そこで最後に、企業が脱ハンコに取り組む意義やメリットについて具体的に語ってもらえないでしょうか?

押印のための出勤が不要となる以外にも、企業が脱ハンコや契約書の電子化に取り組むメリットは多々あります。それらは以下3つのポイントに集約されます。

早さ
手間なくスピーディーに、クライアントへ契約締結できます。また、海外の取引会社とも即座に契約することができます。

コスト削減
用紙、切手、印紙税といったキャッシュコストをはじめ、書類作成や発送を担当するスタッフにかかる時間コスト、さらには書類の管理コスト大幅に削減可能です。

安心
電子データとしてサーバーに保存できるため、紙の契約書で懸念される紛失や焼失のリスクを低減できます。

 

以上に加えて、これまで書類作成や発送、契約書締結などに使っていたリソースを、営業活動など本来の業務に振り分けることができるため、企業の業績アップも期待できるでしょう。

脱ハンコは企業にとってメリットしかありません。ぜひ世の中がアフターコロナへと向かうこの機会に、企業の経営トップが舵を取って推進していただけたらと思います。

ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

ハンコ脱出作戦 編集部

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