働き方

2020年8月20日

2020年8月21日

生産性向上を実現!課題抽出に役立つ指標と計算方法

生産性向上は、今や日本企業の抱える課題と言っても過言ではありません。しばしば「日本企業はOECD諸国の中でも生産性が低い」と言われますが、グローバルな競争が激化する中で、非効率的な仕事を削減・改善し、より少ない人数や限られた時間で高いアウトプットを出すことが企業に求められています。

そこで今回は、生産性の定義や生産性を計る方法について改めて見直してみましょう。生産性について考え直し、自社の改革に結びつけるヒントが見つかれば幸いです。

生産性向上とは?

生産性向上が会社や行政で課題として取り上げられることはよくありますが、まずは生産性が何を指しているのか、生産性を上げるとどんな良いことがあるのか明確にしましょう。

「生産性」の意味

生産性とは、何かしらのアウトプット(産出)をインプット(投入)で割り算した数字です。例えば、アウトプットを売上としましょう。この際、売上100万円を5人で達成したのであれば、1人当たりの売上、すなわち生産性は20万円ということになります。

また、部屋を掃除するという作業の場合、アウトプットを掃除量とみなすことができます。100平方メートルの部屋を2人で5時間かけて掃除したのであれば、一人当たり1時間の掃除量、すなわち生産性は10平方メートルということになります。

このように、生産性としてどのような成果を当てはめるのかによって計算内容は異なるものの、アウトプットを出すのに必要としたインプットを比較することで生産性を求められる、というのは共通しています。

後でご紹介するように、生産性にはいくつかの計算方法や種類が存在します。これも、生産性として何を期待するのかが異なるからこそ、と言えます。公的な定義を理解することは、議論の方向性をそろえるためにとても重要なことではあります。それと同時に、自分の会社やビジネスが何をゴールとするのか、を最初に考えることが、生産性向上について議論するうえでもっと重要なことなのです。

生産性向上と業務効率化の違いとは?

生産性向上と同じような意味で使われている言葉として、業務効率化があります。しかし業務効率化は、生産性向上に比べて「何か無駄なものを取り除く、減らす」というニュアンスが強いように思われます。生産性におけるアウトプットとインプットの関係で言うと、よりインプットに目を向けた考え方であると言えるでしょう。仮に5時間かかっていた掃除を(機械の導入やオペレーションの見直しなどによって)4時間でできるようになれば、1時間の業務効率化につながったと考えられます。

掃除量÷人力=5時間
掃除量÷(人力+機械)=4時間
⇒機械によって1時間分の業務効率化を実現

もちろん、より少ないインプット量で同じ量のアウトプットを出せるようになれば、それはすなわち生産性が向上したということでもあります。したがって、業務効率化は生産性向上のための手段の一つなのです。生産性を向上させるためには、アウトプットを増やすかインプットを減らすかのどちらか(あるいは両方)が必要ですが、後者が業務効率化にあたります。

生産性向上によるメリット

生産性向上のメリットを、アウトプットとインプットのそれぞれから考えてみましょう。

・アウトプット増加による売上増加、競争力向上
会社にとってのアウトプットとなると、まずは売上が考えられます。売上が増加すれば会社の成長につながりますし、市場における自社の競争力の向上につながるでしょう。最近は海外の同業他社、あるいは異業種からの参入が続く業界も多いですから、アウトプットを常に前年比で増やすことは大きな意味があります。

・人手不足対応、労働環境の改善
少子高齢化に伴い、職員の退職が続いて人手不足に陥っている企業は少なくありません。また、働き方改革法案の施行や新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークの普及など、より効率的な働き方が求められてもいます。法律スレスレの長時間労働に依存することも、難しくなってくるでしょう。つまり、企業は労働力や時間というインプットを減らしつつ、利益というアウトプットを維持することが求められているのです。過去と同じ作業量を、より少ない人手・時間で効率的に行うことは、企業が生き抜くために必要な対応です。

生産性を分析するための主な指標と計算方法

生産性の公的な定義は数多く存在しますが、ここではその中でもよく使われる3種類の指標とその計算方法についてご紹介します。

付加価値労働生産性

付加価値労働生産性とは、生産性の計算式の分子(アウトプット側)に付加価値を置いたものです。付加価値とは、ここでは1人当たりの粗利を指しています。付加価値額を労働者数で割り算することで、どれくらい効率よく付加価値を出せているかが明確になります。
付加価値労働生産性=粗利÷労働者数

物的労働生産性

物的労働生産性とは、生産されたモノやサービスの量をアウトプットとしたものです。製造した自動車の台数、売れた製品の個数などに対し、どれくらいのインプットを投入したかで割り算します。あくまでモノをアウトプットとするので、コンサルティング業などのように無形サービスを扱う会社では使いにくい指標かも知れません。
物的労働生産性=生産量÷労働者数

全要素生産性

全要素生産性とは、アウトプットを生産量として、インプットをイノベーションや生産の効率化など、質的な要素に当てはめて計算しようとしたものです。資本や労働量など、量的に示せるもの以外も成長に寄与しているという考えが全要素生産性の背後にはあります。もちろん質的要素を直接的に計測するのは難しいので、しばしば特定の年度からの変化率という形で計測します。

資本生産性

資本生産性とは、機械や土地などといった資本1単位に対して産出できた価値を指します。機械の稼働率を向上させたり、土地を有効活用したりすることで資本生産性を向上させることができます。資本生産性を計算することで、企業がいかに効率よく設備投資を行って価値を高められたかを分析します。

生産性向上を実現するポイント

生産性向上のためには、ただツールや新たなビジネスモデル、フレームワークを導入すればよいだけではありません。自社の現状とゴールを直視し、社内調整を含めた地道な作業が求められます。

業務を可視化し、現状を把握する

目標として売上やコスト削減量などを定めることはもちろん必要ですが、それ以上に現状把握が大切です。生産性向上のためにアウトプットを増やすにしても負担を減らすにしても、現在の業務にどんな無駄があり、どんな改善の余地があるのか可視化しなければなりません。

この点については、経営層はもちろん、現場をよく知る人間にもプロジェクトに入ってもらいましょう。どんな施策を打つにしても、現場の協力なしに生産性向上を成し遂げることは難しいからです。

できれば現状でどのような業務内容をどのような流れで進めているのか図や表、文章の形で書き起こし、情報を共有できると議論がはかどります。

「重要性」と「緊急性」の軸でタスクを振り分ける

現状が見えると、それに伴う課題と対策を論じることができるようになります。ここで注意したいのは、対策の優先順位をつけることです。

なぜなら、しばしば対策の数と負担が現場レベルを圧迫することになるからです。「何をするのか」も重要ですが、人手や時間が限られる中では「何をしないのか」も同じくらい重要です。重要性と緊急性の大小で4種類のマトリックスを作成し、思いついた既存のタスクを割り振るようにしてください。考えられる改善策を全て実施するのではなく、重要度と緊急度の高いコア業務から取り組むようにしましょう。

  緊急度(高い) 緊急度(低い)
重要度(高い) 重要で緊急:改善効果の最も高いタスク 重要だが緊急ではない:即効性はないかもしれないが、改善によって長期的な効果が見込まれるタスク
重要度(低い) 重要ではないが緊急:大きな効果はないかもしれないが、即効性が見込まれるタスク 重要でも緊急でもない:やらなくて済むような方法を考えるべきタスク

重要性と緊急性の軸を用いることによって、生産性向上の観点からどのタスクの改善を高い優先度で進めるべきなのか判断できます。

ITツールを駆使してリソースを確保する

最後に、いよいよ対策を実行する段階では、ITツールを駆使するのがおすすめです。生産性向上のためには、人力で進めていた仕事を自動化することが欠かせません。紙の契約書と捺印を電子契約に置き換えたり、手動で名刺データを入力していたのを名刺管理ソフトに置き換えたりするなど、便利なITツールを使って業務効率化を図ることが欠かせません。

「生産性向上でアフターコロナを生き抜こう!」

生産性の向上は、企業がビジネスを拡大するために必要なことでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって混乱したビジネス環境を生き抜くために必要不可欠な課題と言えるでしょう。「新しい日常」に合わせて新たな働き方を導入しないと、生産性を落としたままビジネスの表舞台から消えていくということにもなりかねません。ぜひ生産性向上を目指す対策と方法などを社内で検討し、贅肉を落とした筋肉質な組織作りを進めましょう。

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ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

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